
難聴者の中には片耳だけ聞こえない片耳難聴(一側性難聴)の方がいます。
良聴耳は正常で片耳だけ重度の難聴など極端に左右で聴力差があると一般の補聴器では充分な補聴効果が得られない場合があります。そんな方は片耳難聴(一側性難聴)向けのクロス補聴器を考えてみてはいかかでしょうか。
片耳難聴とは
一側性難聴とも言い、片方の耳だけ難聴になることをいいます。
片方が聞こえるのだから問題ないだろうと周りになかなか理解されない場合も多いようですね。
健聴者にわかりやすく言うと、ステレオの音を片耳のイヤフォンで聞くのとヘッドフォンで両耳で聞くのとでは音量はもちろん音の臨場感や立体感が違いますよね。その違いが日常の生活の中で起こっているのです。
片耳難聴になる原因
片耳難聴になる原因は先天性のもだけではなくいろいろとあるんですよ。
・疾患による難聴(中耳炎など)
・突然聴こえなくなる突発性難聴
・ウイルスによるムンプス難聴
・薬の副作用などによる難聴
・事故や怪我による後遺症
子供の場合は片方が聞き取れてますので、聴力検査などしないと発見が遅れたり見逃してしまう場合もあります。
片耳難聴だと障害者にならない
片耳難聴だと障害者総合支援法での補装具費支給制度に該当しない場合が多いです。
聴覚障害で障害者になるのは、両耳の聴力レベルが70デシベル以上、もしくは一側耳の聴力レベルが50デシベル以上で他側耳が90デシベル以上でないと障害者に該当しません。
音声・言語機能の障害では両耳による語音明瞭度が50%以下であれば障害者に該当します。
障害者総合支援法についてはこちら
18歳未満の児童については、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児に対し、軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事業と言うものがありますので、お住まいの市町の福祉担当課にお問い合わせしてください。
クロス補聴器とは
クロス補聴器とは一般の補聴器とは違って、特殊な補聴器になります。
聞こえない側の耳にマイクをつけ聞こえる耳に補聴器を付け音声を転送して聞く補聴器です。
両方の耳に器具をつけることになりますので、金額的には高くついてしまいますね。
シーメンス・シグニアのクロス補聴器
シーメンス・シグニア補聴器のクロスPureとプライマックスシリーズ補聴器(ピュア・モーションSA・インシオ)を組み合わせることでクロス補聴システムになります。
シーメンス・シグニア補聴器 クロスPure ¥97,200
聞こえない側の耳周辺の音を集め、良い耳の方に転送して聞くシステムです。
聞き取りができない耳にクロスPureを装用すると、クロスPureのマイクが周りの音声をとらえ、聞こえる耳に
装用した補聴器に電波で音声を届けます。
こんな場面で便利
クロス補聴器を着けることによって聞きづらかった方向の音が入ってきますので、聞こえの範囲がひろがります。
例えば、車の中で運転席・助手席の人の声や、会議や寄り合いなどで聞こえにくかった方の音が聞き取りやすくなるなど。
ただし、片耳ですべて聞き取るので、音の方向感覚は掴みにくいかもしれません。