
耳には音を聞き取る、言葉を聞き分ける2つの役割があります。
言葉を聞き分ける能力の事を語音弁別能と言います。
聴力が良くても語音弁別能が低下している状態だと、声は聞こえているのに会話の内容が理解しにくくなってきます。
音が聞こえていれば言葉を聞き取れるのが当然だと思いがちなので注意が必要です。
語音弁別能
音を聞き取るだけではなく、言葉がしっかりと理解できなくてはコミュニケーションが難しくなってきます。
補聴器は周波数に合わせて音を増幅して音を聞きやすくする事は出来ますが、語音弁別能を改善させて言葉をハッキリとさせる事は出来ません。
その方の語音弁別能の状況にもよって、補聴器を装用して言葉がハッキリと聞こえるかの効果が変わってきます。
語音弁別能の低下には様々な原因がありますが、難聴を放置する事も原因の一つになります。
毎日の会話を楽しんで言葉を聞いていく事が低下の予防に繋がりますので、難聴が気になったら積極的に補聴器の装用を検討していきましょう。
難聴になっていなくても様々な原因によって語音弁別能が低下している場合もありますので、会話などが聞きとりにくい、何回も聞き返してしまうと悩んでいる場合には耳鼻咽喉科や専門機関に相談をしましょう。
語音聴力検査
聴力検査とは別に、どれくらい正確に言葉を聞き取っているのかを検査するのが語音聴力検査です。
CDから聞こえてくる「ア」や「イ」などの言葉を音の大きさを変えながら表に書き取り、どの位の大きさの言葉ならはっきりと聞き取れているのかを調べる検査をします。
最も聞き取り能力が高い値を最高語音明瞭度と言います。
100%~80% 聴覚のみでの会話を容易に理解できる
80%~60% 家庭の日常会話、普通の会話ではほとんど理解が可能であるが
不慣れな話題は注意が必要
60%~40% 日常会話で内容を正確に理解できない時がしばしばある
重要な内容は確認やメモ併用が必要
40%~20% 日常会話においても読話や筆談が必要
20%未満 聴覚のみの会話理解は不可能
聴覚はコミュニケーションの補助として活用される
片耳装用でも注意が必要です
補聴器を片耳にだけ使用している状態だと、補聴器をつけていない方の耳は語音弁別能が次第に衰えていく場合があるとの研究結果があります。
片方の耳に補聴器を着けているだけでは、もう片方の耳は休んだままになってしまいます。
耳は両方がしっかりと機能していると、どこから話しかけられても聞き取れる、どこで音が鳴っているのかの方向感覚がつかめる、騒がしい場所での会話音が片方の場合より聞き取れるなど両耳の機能を使えるので、両耳での補聴器の装用をおすすめします。
片方しか補聴器をつけていないのは、メガネを片方の目しか掛けていないのと同じですよね。
JAAA 141-149,Vol.6/No,2 Mar.1995
まとめ
補聴器はその方のもつ最高語音明瞭度に会話の音声を合わせる医療機器ですので、低下していても改善は出来ません。
難聴を感じたら我慢せずに、補聴器を使用して会話を楽しむ事が語音弁別能の低下の予防に繋がります。
会話は人と人を繋ぐ大切なコミュニ―ケーション手段の1つです。
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